合気道について

合気道とは

合気道開祖 植芝盛平翁先生

 合気道は、開祖植芝盛平翁が日本伝統の武術の奥義を究め、さらに厳しい精神的修行を経て創始した現代武道です。

 合気道は相手といたずらに強弱を競いません。入身と転換の体捌きと呼吸から生まれる技によって、お互いに切磋琢磨しあって稽古を積み重ね、心身の錬成を図るのを目的としています。合気道は他人と優劣を競うことをしないため、試合を行いません。

 お互いを尊重するという姿勢を貫く合気道はいのちの大切さがうかがわれる、現代に相応しい武道といえるでしょう。

 合気道が「和」の武道といわれる所以もここにあります。



二代道主 植芝吉祥丸

現道主 植芝守央

 合気道は日本の古くから伝わるいろいろの柔術の流れなどの中から、開祖植芝盛平翁がその技術を磨き上げ、さらに人格的研鑽によって精神性、求道性を加え、“術”から“道”へと飛躍的に完成せしめたものである。

 

 つまり、“不断の心身鍛錬をもって人間求道のための修業なり”という開祖植芝盛平翁の信念に基づいて誕生した独自の近代武道であり、その後さらに社会一般への普及組織化に伴う合理的な整備がされ今日へと発展している。

 

 その要旨によると、真の武道はいたずらに力に頼って他人と強弱を競うものではなく、自己の人格の完成を願っての求道であると説き、その体現についての道である合気道は宇宙偏在の根源の気と、人間の“我”の呼吸を通じての気とが一体化するところにその究極を置くとしている。いわゆる合気道はこの“気”と“理”を和する武道と言えるのである。

 

 盛平翁がこの合気道を世に出すためには、戦前から戦後にかけ、幾多の精神的遍歴を重ねた。中でも起倒流柔術、柳生流柔術、神陰流剣術、大東流柔術など次々と修業体得し、更に日本古来の宗教的教義や古書などを通じ精神的窮極を追いつつ、それを武術と一体化したところに大きな特徴が考えられる。

 

 徒手で相手と対決しながらその気を導き、制する合気道は多分に今日的合理性と洗練された格調とを持つ“現代に生きる日本武道”と言えるものがある。故に合気道は、その起点である日本を中心としながらも国際的に現代人の心を掴み大きな飛躍につながったのである。 

      

             (植芝吉祥丸二代道主)                             



稽古の特色

 合気道は試合を行いません。お互いの習熟度に合わせて技をくり返し稽古し、心身の錬成を図ることを目的としていますので、誰でも稽古できます。

 稽古の積み重ねが健康によいのは言うまでもなく、日常生活において何事にも積極的に取り組む自信が自然と培われてきます。

 また、道場には年齢、性別、職業、国籍を問わず多くの人々が集まってきますので、人間理解の眼を深めるためには最適の場です。

 合気道の稽古に終わりはありません。稽古をはじめたら根気よく続けることです。うまずたゆまず求めてください。稽古を続けることが進歩への第一歩であり合気道の大切な一面でもあります。